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１．講談社 刊 「書下し長篇探偵小説全集・１３」 Ｓ３１／７月：初刊本
２．講談社 刊 「ロマン・ブックス」 Ｓ３４／８月
３．東都書房 刊 「鮎川哲也・日影丈吉・土屋隆夫集：日本推理小説大系・１３」 Ｓ３５／１０月
４．「宝石」臨時増刊号 「純本格推理小説傑作集」 Ｓ３７／９月（１７巻／１２号）
５．講談社 刊 「鮎川哲也・仁木悦子集：新日本文学全集・２」 Ｓ４０／２月 *「裸で転がる」併録
６．講談社 刊 「鮎川哲也・土屋隆夫・戸板康二集：現代推理小説大系・１０」 Ｓ４７／７月
７．角川書店 刊 Ｓ４９／９月（角川文庫）
８．「別冊・幻影城」第９号 「鮎川哲也」 Ｓ５１／１２月（２巻／７号） *「準急ながら」を併録。
９．保存版「別冊・幻影城」第９号 「鮎川哲也」 Ｓ５２／１２月（８と同内容） *「準急ながら」を併録。
１０．立風書房 刊 「黒いトランク：鮎川哲也長編推理小説全集・１」 Ｓ５０／７月 *「ペトロフ事件」、「赤い密室」を併録。
１１．光文社 刊 「鬼貫警部事件簿」 Ｈ１４／１月（光文社文庫）
１２．東京創元社 刊 Ｈ１４／１月（創元推理文庫）
*この作品の初読時の印象はあまり良くありませんでした。同時に買った「憎悪の化石」（角川文庫版）の方がはるかに面白く感じられたのです。時刻表を見るのが苦手なせいか、イマイチのめり込めずにいたのですね。ただ、凡人探偵の代名詞のように言われている「鬼貫警部」の印象だけが強烈でした。しかし数年後再読してみて、やはりこれは名作だと思いました。一人の女性の為に、粘り強く捜査を進めていく鬼貫には孤高の騎士のイメージが宿っています。そして完璧に見えるアリバイとトランクの謎。それがちょっとしたこと（ああ、書きたい！）から崩れて行く様は、まさしく「本格推理小説」の醍醐味といって良いでしょう！ 必読！ 必読ぅ〜！
*「鮎川哲也読本」（原書房：Ｈ１０）巻末の書誌を見てビックリしてしまいました。なんと、（１０）が発行されてから二十年以上、「黒いトランク」は新刊として発売されていないのですね（多分）。角川文庫版がかなり後まで残っていたため、いつでも入手できるような気になっていましたがちょっとショックでした。
この作品も改稿が著しく、一応現在の形に近くなったのは（５）からなのですが、その後もちょこちょこといじられて（笑）います。某出版社より「完全版」が発売されるという噂（？）がありますが未だ未刊行です。Ｔ社サン、この作品が現在入手難だなんて納得出来ません！ ソッコーで復刊するように！！
*長らく復刊が待たれていた本書ですが、Ｈ１４／１月に光文社文庫から初稿版が復刊されました。更に創元推理文庫から「決定版」が、同年同月に刊行されました。